アルフレッド・ブルーム(1926 – 2017)
戦後、軍隊の翻訳者として日本に来ていたときにキリスト教から浄土真宗に改宗した。
英語圏における浄土真宗の権威。
歎異抄をたたえる人々14 アルフレッド・ブルーム
ハワイ大学教授・アルフレッド・ブルーム
ハワイ大学のアルフレッド・ブルーム教授は、ハワイ放送で講義した内容を、『現代思想と歎異抄』という本にして出版しています。その中に、このよう書いています。
『歎異抄』の解釈において、私は親鸞の教えが現代という大衆社会、テクノロジーの社会に住む人間にとって有意義でかつ心の眼を開くような精神の視点となるものであるということを強調したつもりです。人生が無意味で絶望的なものだとの思いしかもてない人にとって、本願にあらわされる阿弥陀仏の大悲についての親鸞の考えは、人生の意味に対する活力あるとらえ方を与えてくれ、同時に人間の我執に対するありのままの洞察をも与えてくれるものであります。(『現代思想と歎異抄』)
このように『歎異抄』の内容は、人生が無意味だと思える人に生きる意味を与えると言っています。
さらに言葉を変えて、精神生活の源泉であり、人生におけるすべて行動の基準であると言っています。
『歎異抄』は、それに目醒めることが私たちの精神生活の源泉になるところの本願の描写で始まり、人生のすべての行動基準となる本願の描写で終わっています。
(中略)
後序は私たちの人生におけるすべての行動の基準としての本願を述べておわっているのです。
(『現代思想と歎異抄』)