司馬遼太郎(1923 – 1996)
(写真はウィキペディアより)
小説家の中でも最も著書が多く、累計発行部数は2億部に近い、日本大衆文学の巨匠。『功名が辻』『翔ぶが如く』『徳川慶喜』『国盗り物語』『竜馬がゆく』『坂の上の雲』など、7作が、大河ドラマの原作となっている。
歎異抄をたたえる人々2 司馬遼太郎
大衆文学の巨匠・司馬遼太郎
鎌倉時代というのは、一人の親鸞を生んだだけでも偉大だった。
(司馬遼太郎『この国のかたち』)
そして『歎異抄』について、こうも言います。
十三世紀の文章の最大の収穫の一つは、親鸞の『歎異抄』にちがいない。
(司馬遼太郎『この国のかたち』十三世紀の文章語)
講演では『歎異抄』について、このように言っています。
「死んだらどうなるかが、わかりませんでした。
人に聞いてもよくわかりません。
仕方がないので本屋に行きまして、
親鸞聖人の話を弟子がまとめた『歎異抄』を買いました。
非常にわかりやすい文章で、
読んでみると真実のにおいがするのですね。
人の話でも本を読んでも、空気が漏れているような感じがして、
何かうそだなと思うことがあります。
『歎異抄』にはそれがありませんでした。
(中略)
兵隊となってからは肌見離さず持っていて、暇さえあれば読んでいました。
《司馬遼太郎『司馬遼太郎全講演第1巻』》
無人島に一冊の本を持っていくとしたら『歎異抄』だ。
(司馬遼太郎)
(『週刊朝日』平成8年11月1日号)